一度も接吻する事は無かった
初めて買った金魚?
小さな体ぶつけながら 必死でそう、泳ぎさまよって
あなたと過ごした最初の夏が静かに息を止めた
赤くて無力なあの子の唇
すぐ死んじゃうって誰か言ってた
それはまだ見ぬ満ち足リた世界
お祭りでとれる金魚は弱いから
おわり
あまりに非力な私の唇
考えてはじっと胸を焦がしてた
私に残された最後の夏も静かに手を振った
きっと私が夢を見てたの
この部屋に私以外の命の気配をただ少し増やしたかっただけよ
今朝も一匹水面に浮いた 泣きながらそっと手の平にのせた
今朝も一匹水面に浮いた 泣きながらそっと手の平にのせ
やけに涼しい 夕焼けによく似た悲しい色が独りの午後に滲んだ
何度も接吻しておけばよかった
この部屋にさげすんだ空気だけを残して空っぽの悚纤饯蛐Δ?
大事にしてた 名前も付けたのに何故かしら?金魚悚韦兢?尾坤?盲?